累計発行部数が100万部を突破し、今ノリにノリまくっているマンガ【呪術廻戦】。
そんな呪術廻戦も最初はドベ(ジャンプの後ろの方)に載っていました。
つまり、アンケートの順位が低い=人気が無かったということです。
その理由は1話に力が入り過ぎていたと私は分析しています。
呪術廻戦は1話・1巻が致命的につまらないし面白くない…なのに後から面白くなる理由は?
1話に求められるもの
バトルものの週刊連載の第一話で求められるのは
- キャラクター紹介
- 世界観の紹介
- 派手なバトル
- キャッチーなセリフ
です。
例えば、ワンピースでは全ての要素が満たされています。
今日のONE PIECE!!
(2019.3.31(日)放送)うわぁ〜
冒頭のシーン
原作の第1話だー😭懐かしいなー
自分がONE PIECEを
読みはじめたのも
ちょうど
20年前(1999.3頃)だったかな?
当時、小学4〜5年かな?そうか‼️
今日が平成最後の
ONE PIECE‼️#ONEPIECE放送20周年 pic.twitter.com/dioHRZgRqv— coraさん (@cora20150920) 2019年3月31日
- ルフィが海賊にあこがれているゴム人間である(キャラクター)
- 世界は大海賊時代で、海賊王を目指している(世界観)
- 近海の主にゴムゴムの銃を放つ(派手なバトル)
- 「海賊王におれはなる!」(キャッチーなセリフ)
ナルトにおいても同様です。
今日10月3日は【NARUTO 第1話】がTV放送された日🍥
もう15年も前になるのか…。 pic.twitter.com/Y7RwzfGYaN— コノハ@同盟国 (@Konoha_hiden) 2017年10月3日
- ナルトは火影になりたい落ちこぼれ忍者(キャラクター)
- 木の葉の里では忍者がいる(世界観)
- 多重影分身の術を行う(派手なバトル)
- おれは火影になる(キャッチーなセリフ)
多少の違いはあれど、BLEACHでもハンターハンターでもおおむね、この法則を満たしています。
セリフが多い
ジャンプ新連載【呪術廻戦】1話感想まとめ 呪いをめぐる命の戦いが始まった https://t.co/p7E3lSTjuZ pic.twitter.com/BoftPtFKWJ
— BR_Co (@BR_PCO) 2018年3月5日
一方呪術廻戦はというと、
- 主人公が虎杖か伏黒なのか分かりづらい。(キャラクター)
- 呪いと言うものがあるらしい(世界観)
- 見開きのドロップキックが地味。しかも、相手には効かない。(バトル)
- 目だったセリフが無い。強いて言えば、「人を助けろ」(セリフ)
と、世界観を除いてことごとく外してしまいました。
さらに致命的だったのはセリフの数が多すぎたことです。
単に情報が多いだけではなく、不必要なギャグが目立ちます。
ギャグの面白さ自体は芥見先生の長所でもあるのですが、初回は空回り気味です。
空回りしてるギャグと、空回りしていないギャグの差は
ストーリー上に関係があるか無いかです。
ましてや、第1話でそれぞれのキャラクターがどんな人物かも分からないのに、
小ネタを連発していますが、感情移入ができません。
呪術廻戦 舞台が仙台とか親近感しかない
そしてこの一コマw pic.twitter.com/eSEol8D2GR— クリス/FUMIYA/プランクトン (@FUMIYA04539392) 2018年3月11日
「冒頭でこっくりさんを行い、生徒会長がクリオネにギリギリ勝てることが分かる」
「ラグビー部の呪いの原因がマダニが原因だった」
などとちょっと脇道に逸れすぎています。
コマが小さい
そしてコマ割りが小さいのも第一話の特徴です。
白黒ページに入ってからは1pに6コマ7コマも使うのが当たり前。
通常漫画の平均コマ数は1pに4コマと言われています。
ギャグが多くなり、コマがたくさん現れた理由は自信のなさが原因だと見ています。
読者にまっすぐ話を伝えるのが恥ずかしいので、ギャグに逃げている印象が否めません。
呪術廻戦の最初って仙台の話だったのか…喜久福おいしいよね pic.twitter.com/KoWs2vQePM
— 柊一郎 (@syuitiro5) 2018年10月19日
「作者はマンガが下手なんじゃないか」と思われる方もおられでしょうが、
事実は違います。
なぜならば、前日譚である東京都立呪術高等専門学校においては、
セオリーに則った第一話を披露しているからです。
0巻1話は普通だった
⭐️スタッフオススメ⭐️
彼は己に憑く怨霊・里香に苦しんでいた。そんな中、「呪い」を祓う為学ぶ学校「都立呪術高専」の教師・五条悟が、乙骨を高専へ転入させ…!?『呪術廻戦』へと繋がる前日譚、開幕!
【呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校】配信中!! #呪術廻戦 pic.twitter.com/573SE9Iedx— ジャンプBOOKストア! (@jump_bookstore) 2018年12月6日
東京都立呪術高等専門学校はジャンプ GIGA にて連載されていた呪術廻戦の前日譚です。
画像を見てお分かりの通り、コマ割りも普通で台詞量も見やすいものとなっています。
呪術廻戦の第一話においては主人公が虎杖なのか伏黒なのかもはっきりしていませんでしたが、
呪術高等専門学校においては乙骨が主人公であることが明確に描かれています。
戦闘シーンも見開きで見応えたっぷり。
何度も言うけど、今回のギガでイチオシは呪術高専だよぉ! pic.twitter.com/qWxyPld9si
— n氏(墓) (@nishimochi) 2017年7月5日
乙骨も「生きてていいって自信が欲しいんだ」と言った印象に残る台詞を吐いています。
もちろん現在の芥見先生の絵のレベルからすると物足りないことは事実なのですが、
ジャンプ GIGA の連載という意味では合格点と言ってよいでしょう。
ジャンプ GIGA は1年で4回の連載なので週刊連載と違って考える時間が多かったのも要因かもしれません。
部数が減っているとはいえ、週刊少年ジャンプは日本で一番の激戦区雑誌です。
そのプレッシャーに押され、あれもこれもと詰め込みすぎた結果、
焦点がぼやけてしまったのではないかというのが私の分析です。
ターニングポイントは5話
呪術廻戦に話を戻します。
1話でスタートダッシュに失敗してしまった呪術廻戦。
二話でもコマ数やセリフが多い流れは変わりません。
若干の改善が見られたのは第3話。
呪術高専の夜蛾学長と戦うシーンにおいては、
今までと違ったコマ割り、バトルシーンが描れています。
おそらくこの時点でネームにテコ入れされたのでしょう。
続けて釘崎野薔薇が登場する第4話においても絵柄が大きくなる傾向はさらに増していきます。
しかし、決定的だったのは第5話。
ここでメインキャラクターである虎杖、伏黒、釘崎の3人のうち
一人が死ぬという予告がなされたからです。
6話以降においてはサスペンス要素、戦闘描写、ホラー、ギャグ、絵、
それぞれが高いバランスでまとめられ、問題の第10話虎杖死亡まで続いて行きます。
虎杖死亡に関しての記事はこちら。
呪術廻戦の主人公、虎杖悠仁が死亡して復活した理由は?わざわざ殺したストーリー上の意図をネタバレ
結論:呪術廻戦は1話・1巻が致命的につまらないし面白くない…なのに後から面白くなる理由は?
結論としては
「呪術回戦は一話がつまらなかったのにだんだん面白くなった」ではなく
「呪術廻戦の作者は実力があったのに一話だけがつまらなかった」が正解です。
ジャンプ GIGA においては高等技術専門学校で見事な大団円を描いていたので、
エンターテイメントを作る才能にはもう定評があったのです。
問題だったのは週刊連載というリズム、
また週刊少年ジャンプという大看板が長い戦うというプレッシャー、
これにどう対応していくかが課題でした。
現在ではもう完全に週刊連載のリズムをマスターし毎回毎回面白い話が続いています。
入り口さえ我慢できればとてもとても面白い作品なので、
皆さんも是非呪術回戦を読んでみてくださいね。
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